2011年5月27日金曜日

入梅

日本各地で梅雨入りが発表されていますね。
梅雨の季節に入ることを入梅といい、これ以後約一ヶ月間ほど雨が続きます。(梅雨が終わることを梅雨明けや出梅(しゅ つばい)といいます。)
「梅雨」という言葉は、ちょうど梅の実が熟すころ雨が降ることからつけられたものといわれています。
都会に暮らす多くの方々はなんとなく憂鬱な気分になる方も多いと思いますが、農家にとっては作物に欠かせない雨に恵まれるときで、田植えもこの時 期に行われます。
ですから、私たち生活の中ではとても貴重な季節といえます。
自然の営みの中での季節の移り変わりは私たち人間が生きていくうえでとても大切な事です。
ぜひみなさんも雨の日の楽しみ方を考えてみませんか?
雨が降ったからこそ気づく些細な事などありませんか?
自然にとけ込み生活していく事は人間の「氣」を高める効果があります。
心身ともに健全に過ごせますようにお祈りしております。


  

     
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2011年5月12日木曜日

空木

5月は、花の数が一年で一番多い月です。
緑も濃くなりまさに夏に向けての準備が自然界でも行われています。
個人的に大好きな花が咲く時期でもあります。
空木(うつぎ)別名 卯の花・雪見草です。材質は硬く、腐りにくいという理由で昔から神事の際の杵などに使われてきました。

万葉集や短歌にも多く使用されました。

「卯の花を  腐(くた)す               
      霖雨(ながめ)の  水はなに         
        寄る木積(こづみ)なす           
          寄らむ児(こ)もがも」         
                万葉集  大伴家持 

「押しあうて  又卯の花の  咲きこぼれ」 
                正岡子規(まさおかしき)

白くかわいらしい花が人々の心をひきつけたのでしょう。

沢山の花の香りを楽しみながら歩いてみるのも素敵ですね。


   
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2011年5月3日火曜日

端午の節句

端午とは月の初めの午(うま)の日のことですが、古代中国で5月を物忌みの月とし、5が重なる5月5日に、さまざまな邪気を祓う行事を行いました。これがやがて日本に伝わり、よもぎや菖蒲(しょうぶ)で厄除けするようになり、武家社会になって、男の子の出世を祝う日になったのです。
現在では、男の子だけでなく、女の子も含めた「こどもの日」として、未来社会を担う子供達の健やかな成長を願う、国民の祝日です。
鯉のぼりを飾るのは、鯉が滝を上って竜になるという中国の故事からきたもので男の子の出世を願うものです。また、かしわ餅を食べるのは、かしわの葉は、若い葉が出ないと古葉が落ちないことから、跡継ぎが絶えないという縁起にならったものです。
お風呂に菖蒲を入れて入るのは、菖蒲は古くから薬草として用いられ、また魔よけの植物と古来からいわれてきました。一年の無病息災を願ってお風呂にいれるのです。

昔から続く行事にはとても奥が深く、理にかなっている事が多く見受けられます。
季節の変化に伴い体調を崩しやすい時期にゆっくりお湯に浸かり、これからくる夏にむけての気力作りには植物から発せられる「気」を取り込むという意味では最善の方法と思われます。

みなさまも、ぜひ菖蒲湯に浸かってリフレッシュしてください。

  




   
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